「成功の定義」がチェックポイント
成功報酬とは、調査が成功した場合のみ請求される料金です。
調査が失敗した時は払わなくていいので、一見お得に思えます。
しかし、実際はいろいろ注意点があります。
トラブルも多い成功報酬
依頼者は失敗と思うのに、探偵社は成功として成功報酬を要求してきてトラブルになるケースが非常に多いです。
その原因は「成功の定義」があいまいなことです。
つまり、「何をもって『成功』とみなすか?」の共通認識ができていないことです。
探偵社の方もわざとそこをぼやかして、安心させて契約させようとする場合もあります。
浮気調査は何をもって「成功」か?
探偵の仕事でも、人探しなら成功/失敗はわかりやすいです。
「成功」とは、「探し人が見つかる」ことでしょう。
しかし、浮気調査の場合、「成功」はあいまいで、人によって頭に浮かぶことが違います。
次の場合は成功でしょうか、失敗でしょうか?
- 異性と会っていたが、ラブホテル等には行かずに別れた
- デートの途中で見失ったが、手をつないだり明らかに恋人同士だった
- ラブホテル入りまで確認したが、鮮明な証拠写真が取れなかった
- 最後まで尾行したが、異性とは会っていなかった
「浮気をしてなかったら失敗」と思っている依頼者は、1は失敗と考えるでしょう。
しかし、探偵社は「ホテルに行く、行かないは当人の問題」で調査成功と主張するかもしれません。
「顔がはっきり写ったホテル出入りシーンなどの明白な証拠が取れてこそ成功」と考える依頼者にとって、2や3は失敗です。
しかし、探偵社は「浮気をしてるかどうか確かめるのが今回の調査なので成功」「レベルの高い証拠を取るなら別料金」と言うかもしれません。
4が失敗でお金を取らないというなら、探偵社の商売は成り立つでしょうか?
このように浮気調査の「成功」はわかりにくく、事前によく話し合っておかないとトラブルのもとになります。
調査の種類と成功報酬の相性
人探しに比べて、そもそも浮気調査は成功報酬になじみにくいと言えるかもしれません。
しかし、なじみやすいはずの人探しですら、もめることがあります。
住所が判明したので成功を認めたが、行ってみると引っ越した後だったというようなケースです。
「成功の定義」が「実際に住んでいるのを確認して写真まで撮ってくること」なら、調査料金自体も変わってくるかもしれません。
ほかには探し人が死んでいた場合、その証拠をどの程度厳密に求めるのかも問題になります。
死亡診断書や戸籍情報はそんなに簡単に入手できないからです。
「アメリカに行ったことは確かだが、その後の足取りはわからない」といった場合も判断が難しいです。
このように、突き詰めて考えるほど、成功報酬はくせ者なのです。
成功報酬を採用する探偵社を使いたいなら、それもいいですが、事前に「成功の定義」を徹底的に確認すること。
そして過度な期待をせず、判断が微妙な時は払わざるを得ない場合もあると覚悟したほうがよいでしょう。
成功報酬を含む料金の構成
普通は着手金を契約時に払い、成功した場合は調査後に成功報酬を払う2本立てになっています。
この場合、着手金は調査が失敗しても返還されません。
また、着手金、成功報酬とは別に、交通費・ガソリン代などの経費実費を請求される場合もあります。
経費はコミか別か、失敗の場合も払わないといけないのか、などしっかり確認しましょう。
中には着手金を取らず、成功報酬だけという、いわゆる完全成功報酬制の探偵社もあります。
探偵社には非常に不利な条件なので、「成功の定義」はいっそう厳密に確認する必要があります。