GPS調査の限界を知っておくこと
尾行にGPSを活用する探偵社が増えています。
その功罪を説明します。
GPS貸出で自主調査を勧める探偵社
マイカーにGPSを装着して、自分で浮気調査をしてみないかと勧める探偵社があります。
スマホにアプリを入れると、配偶者の運転する車の位置が地図上で確認できるようになります。
車が地図上でラブホテルに入ったりしたら、浮気は確実です。
しかし、写真などの証拠が手に入らないことは最初に理解しておくべきです。
「GPSをこっそりつけたので、ホテルに行ったことはわかってるのよ!」と相手に言うわけにもいきません。
勝手にGPSをつけたことが怒りを招き、論点がそこに移って不毛な夫婦喧嘩が始まるだけです。
要するに、GPSでホテルに行っていることが分かったとして、その後どうするつもりなのか、ということです。
写真などの証拠が必要なら、これはムダな作業だし、相手がGPSを見つけて調査が発覚するリスクを冒すことにもなります。
ホテルに行ってることが分かれば十分とか、自分で現場に乗り込んでカタをつけてやる、と思っているならGPS自主調査もアリでしょう。
しかし、その場合はGPSレンタル専門業者を利用したほうが、最新機種を安価に借りられます。
「GPS レンタル」などと検索すれば、何社も出てきます。
追加調査の罠にはまるな
GPS貸出は、探偵による調査を売り込むための糸口です。
GPSでホテルに行っていることが分かったところで、証拠も取れないし、そこから先に進めないことに依頼者はやった後で気づきます。
そこで探偵社は、車がホテルに行っている時に探偵を派遣して写真を撮ろうと提案してきます。
これに応じて得られる成果は、ホテル出のシーンの写真数枚だけです。
それで結構なお値段を言われたりします。
こんなことならスキルの高い探偵社にデートの一部始終を報告書に収めてもらった方が値打ちがあります。
ちゃんとした報告書なら、各写真の撮影日時、場所(路線名、店名など)が克明に記録されています。
目先の安さにつられて次々に追加調査を買わされ、トータルで高い買い物にならないよう注意が必要です。
GPSにはそもそも限界
GPS装着は浮気が自家用車で行われる場合にしか通用しません。
浮気相手の車にGPSをつけて、調査後にはずすなどというのは極めてリスキーです。
発覚したら、浮気相手の怒りを買うだけでなく、警察沙汰になります。
依頼者も探偵社も犯罪に問われます。
まともな探偵社なら引き受けません。
車を駐車場に停めてショッピングや飲食をし、徒歩でホテルに行かれた場合も対応できません。
GPSへの依存度が高いと、探偵の基本である尾行スキルを磨くことがおろそかになっていきます。
自家用車でラブホテルに行かれた場合にしか対応できなくなっていきます。
逢引きを終えて別れた浮気相手を尾行し、住所を突き止めるなどということもできません。
ハイテクの活用は大いに結構ですが、GPSにはこうした限界もあることを理解しておくべきです。